さくら野百貨店弘前店(弘前市城東北3丁目)は、前身のカネ長武田弘前店開店から、今年で開店45年を迎える。今回は、地域密着の百貨店として歩んできた歴史と、現在もカネ長武田時代から息づくおもてなしについて、当時から勤める、同店子供衣料課長の山本桂子さんと同店婦人コーディネイト係長の小山内真理さんに話を聞いた。
カネ長武田弘前店は、1971年に弘前市土手町に開店した。その後、丸光(宮城県仙台市)、山田百貨店(福島県福島市)、イチムラ(新潟県新潟市)、小美屋(神奈川県川崎市)と合併し、ダックシティカネ長武田となった。1990年にはマイカルと提携し、1993年に現在地に移転し、弘前ビブレとして営業を開始した。その後、マイカルの破綻に伴い、提携を解消したのち、2002年にさくら野百貨店となり、現在に至る。
店名や場所が変わる中で、複数の地方百貨店の流れを汲んでいるが、運営方式はカネ長武田がもとになっている。
小山内さんは、「カネ長武田時代より、売場に立つ従業員が商品仕入れを行い、レイアウトも決めています。」という。近年、百貨店他社が自主編集売場に力を入れ始めたが、さくら野百貨店は、カネ長武田時代より今日まで自主編集売場を長年に渡り行っている。小山内さんは、「うちは、売り場の販売員がバイヤー(商品仕入れを行う人)も兼ねているので、お客様の要望が届きやすいです。」と話す。また、自分で仕入れや編集を行った商品が売れた時の喜びは非常に大きく、やりがいにつながるという。
最後に、カネ長武田弘前店開店から45年を迎えるにあたり、今後も大事にしていきたいことは何かを訪ねた。小山内さんは、「お客様を大切にする気持ちをこれからも大事にしたいです。」と話す。山口さんも、「利益よりもまずは、お客様の要望を大事にすることです。要望を大事にすれば、いずれ利益にもつながると考えます。」と話す。