弘前の夏の祭り、ねぷたは8月1日から7日に行われる。しかし、一足はやく弘前市を沸かす「ねぷた」がある。7月20日(雨天時7月21日に順延)、市内の青森県立弘前高校の文化祭、第133回目「弘高祭」において、クラスが一丸になって作ったねぷたで弘前市内を練り歩く「弘高ねぷた」が開催される。
弘高ねぷたは60年以上続く、弘前高校の伝統行事となっている。毎年、運行に多くの人が駆けつけ、また、沿道の住民が各クラスのねぷたを審査して賞を決めるという、一学校の枠を超えた町ぐるみのイベントとなっている。今回はその弘高ねぷたの制作現場を取材した。
弘高ねぷたは、生徒が木材で土台を作り、人形も針金で骨組みを作り、紙貼りをして、着色、ロウ入れをして土台の上に乗せる。生徒はこれらの作業を土日は一日中、平日は午後行い、わずか14日間で完成させてしまう。
ねぷたの種類は主に歴史の一場面を切り取った本ねぷたと流行りのキャラクターを取り入れた前灯籠の2種類あり、バラエティーに富んだものになっている。まだその全貌は現れていないが、本番にはどのような作品を見せてくれるのだろうか。
制作中の生徒に話を聞いた。
2年生の佐々木君は「僕は土台を担当しています。限られた予算の中で一から設計するのも大変ですし、部活動や模擬店の準備も並行して行うのでとても忙しいです。クラス一人ひとりが最大限能力を発揮してねぷたを作ります。」
3年生の成田さんは「私は前灯籠を作っています。友達とわいわい作る一方、非常に短い期間で作るために綿密に計画を練って制作を進めています。3年目、最後のねぷたとなるので、自分たちの集大成を見せたい。」とそれぞれの思いを持って取り組んでいた。
弘高祭を運営する執行委員長の三上君は「弘高ねぷたは制作中、皆自分の作業が終わっても他の人の作業を手伝うなど、とても活発に作業しています。60年以上も続いたのは、市内の人々、地域の協力のおかげです。生徒全員が見に来てくれた方々を楽しませて、かつ、安全に運行を終わらせるよう運営をしていきたいです。」
さらに、「弘高ねぷたを見るなら土手町の通りがオススメです。そこでは各クラスがねぷたを回転するので見ごたえがあると思います。」と言っていた。
今年の弘高ねぷたも、生徒たちの作品が沿道の人々を賑わせた。
来年、弘前のねぷたを見に行く前に、生徒の活力みなぎる弘高ねぷたにも足を運んでみてはいかがだろうか。
住所 青森県弘前市新寺町1-1
TEL 0172-32-0251
弘高ねぷた 2,016年(平成28年)7月20日18:30〜20:30(雨天時は7月21日に順延)
平成28年弘高ねぷたの運行ルート