皆さん、こんにちは。皆さんは旧弘前偕行社(かいこうしゃ)という建物をご存じだろうか。実はこの建物、国指定重要文化財に指定されている。それにも関わらず、地元の人でも知っているという人は多いとは言えない。
なのでせっかく弘前に来たのであれば必ず足を踏み入れてほしい。
【旧弘前偕行社の歴史】
旧弘前偕行社は明治40年、部隊指揮官である将校の親睦・学術研究のための集会場として建てられた。実はこの建物は将校だけでなく、皇族とも関係が深い。
例えば、明治41年には、皇太子嘉仁(よしひと)親王・のちの大正天皇が宿泊したり、昭和10年には昭和天皇の弟である秩父宮(ちちぶのみや)殿下が弘前歩兵第31連隊第3大隊長として在隊した。
陸軍将校たちの集会場であったこの建物は、第2次世界大戦が終結すると、日本軍が解体すると、現在の弘前厚生学院の前身である弘前女子厚生学院に払い下げられる。また、みどり保育園園舎としても共用されてきた。
それから1980年には、旧弘前偕行社は弘前厚生学院記念館として公開され、ついに、2001年に「国の重要文化財」に指定された。
さらに2013年には7年にも渡る大規模な保存修理事業に着手した。この修理では、校舎や園舎として姿を変えて使用されていた偕行社を、明治に建てられた当時の様子を模して元の姿に戻すという形となった。
そして、2020年に修理が完成して、現在に至る。
【建物の様子】
旧弘前偕行社は木造平屋建で、ルネサンス風様式を基調とした建物である。建物のいたるところに細かな細工がされており、見る人を飽きさせない。
中庭から見た外観
内観の様子
正面入り口の上部には陸軍第8師団の「蜂」をモチーフにしたレリーフがある
このシャンデリアのガラスは建設当時から存続しているものである。
このように、外観、内観ともに非常におしゃれで繊細なつくりになっている。
【現在】
現在、旧弘前偕行社は、見学や貸室、イベント等に使用されている。
見学には、当時みどり保育園の園児として卒園したOBやOGがよく来ているそうだ。また、当時はこの場所で結婚式も行われていたりしていた。しかし、保存修理が完成した後はまだ結婚式を一度も開いていないという。なので地元で巡り会った二人がこのような素敵な場所で結婚式を開けたらどんなに素敵な経験になるだろうか。
また、最近話題になっていて弘前を舞台にした漫画、「ふらいんぐうぃっち」の影響で、若いファンの方が聖地巡礼しに来るという。
ふらいんぐうぃっちで実際に描かれた廊下
そういう若い人にもたくさん来ていただいてどんどんSNSで発信し、旧弘前偕行社の存在を多くの人に知ってもらいたい。
【まとめ】
いかがだっただろうか。弘前に住んでいるのに知らなかったという人も多かったのではないか。また、県外の方にも弘前にはこのような歴史的な建物があるということを知っていただけたと思う。ぜひ、弘前に遊びに来た際には旧弘前偕行社に足を運んでみてほしい。
【アクセス】
〒036-8185 青森県弘前市御幸町8-10 弘前厚生学院内
www.h-kaikosha.jp
見学の予約・お問い合わせ 0172-33-0588
○ガイド付き見学
1日1回午後12時~(所要時間約40分/定員20名様まで)
見学料/500円(税込)
○一般見学
午前9時~午後4時まで
見学料/300円(税込)
○休館日/火曜日・8月13日・年末年始