「剣術」「古武道」
現代に生きる私たちからすると、あまり縁がないものだ。しかし、それに魅了される人がいないわけではない。
私たちの暮らす弘前市には、弘前藩伝・卜傳流(ぼくでんりゅう)剣術というものがある。毎週土曜日13:00〜15:00に稽古をしている。誰でも無料で参加・見学・体験できる。
2018年6月16日、北辰堂にて実際に稽古を見学。実はこの前の回の稽古を、個人的に興味があったので体験していた。
稽古は全員で礼をすることから始まる。道場の入り口に横一列に並び、道場に向かって礼、その後にその回の稽古の参加者に礼をする。
まずは形の稽古。木刀を使い、2人ずつで行う。複数の形を扱うが、一つずつ、その形について最初に先生から説明があり、それを受けてペアで実際にやってみる。このペアは途中で複数回交代する。また、皆軽々と木刀を使っているように見えるが、実際この木刀は結構重い。私は構える時にその重さに負けそうなこともあった。稽古の参加者を見ているとその重さが見えない。「すごい」としか言えない。
休憩を挟んで、稽古の後半。長い刀を使った稽古。ここでも最初に先生が動きなどを説明、その後にペアで実際にやっていた。このペアも途中で複数回交代する。
前半も後半も参加者同士で教えあったり、先生に聞いたりしていた。先生の説明は、「足から間合いに入ると遅くなるから剣から入る」といったように、とても丁寧でわかりやすい。
稽古の終わりは再び全員で道場の入り口に横一列に並んで礼。
ペアの交代のとき、始まりも終わりも礼をしていた。稽古でも、始まりも終わりも礼。「礼に始まり、礼に終わる」という武道の精神なのだろう。
稽古が終わってからは自主練習。今回は先生も一緒に、歩行中に後ろから斬りかかられたらどう対応するか、1対1で練習していた。
ここまで、稽古ではシゴキなど厳しいものはなかった。真剣に稽古をしていて、時折笑顔も見える楽しげなものという印象が強い。
稽古の先生である小山隆秀氏に話を聞いてみた。
「卜傳流剣術は今後、地域に定着して普及していきたい。この稽古は地元でお金をかけないでできる。また、これはコミュニケーション力や危機対応能力が高まるし、年齢に応じて一生できる。複雑な動きがあるし、若い人にやってもらいたい。」
取材終わりには、歩いている時に後ろをつけられている時の確認の方法や、弘前市で以前行われた刀剣展でのエピソードも教えてくださった。50振の刀に油を塗るのはただでさえ大変なはずなのに、それを狭い空間で、バランスを崩したら自分を斬るという状況でそれを行うのは…自分にはとても想像がつかないほど大変だっただろう。
「剣術」や「古武術」は我々にはあまり馴染みのないもの。それに魅せられた者たちが集い、互いに切磋琢磨しあう稽古、それが卜傳流剣術の稽古だ。
修武堂ホームページ:
http://www.geocities.jp/bokuden_1969/index.htm
稽古日程などはこちらから:
http://bokuden1969.hatenablog.jp/