全国の刀剣女子必見!今が旬の日本刀鑑賞@田舎館村

全国の刀剣女子必見!今が旬の日本刀鑑賞@田舎館村

近年日本刀の鑑賞が若い女性の間で盛り上がっている。その証拠に栃木県足利市で「山姥切国広」という日本刀が展示された際には多くの「刀剣女子」が押し寄せ、同市に4億円の経済効果をもたらした。また、日本刀人気の勢いはこれだけに留まらず、戦後行方不明になったとされた「蛍丸」という大太刀の写しを制作するプロジェクトではわずか1日で2400万円もの寄付金が集まった。

ますます盛り上がりを見せる刀剣界隈だが、地方に住む刀剣女子にとって刀剣鑑賞のため、各日本刀を所持している博物館に実際に赴く「遠征」は実際のところ経済的にも、時間的にも厳しかったりする。そのため今回は特に青森県在住の刀剣女子の皆さんに日本刀が鑑賞でき、さらにもっと深く刀剣のことを知ることができるスポットをご紹介したいと思う。

青森県田舎館村には刀匠の中畑貢さん(号は國広)という方がいる。田舎館村と言えば精密なたんぼアートが見られるとして、毎年多くの観光客が訪れるが、たんぼアートが開催されるこの時期限定で中畑さんが制作した日本刀を実際に手にとって鑑賞することができる。また中畑さんから刀匠ならではの日本刀制作に関するお話も聞くことができ、博物館だけでは味わえない貴重な体験ができるだろう。

刀匠・國広としての歴史

中畑さんは1941年(昭和16)年生まれ。中学卒業後、弘前市の研師の元で2年間修行し、その後東京の研師の元で5年間修行を積んだ。そして1964年(昭和39年)、中畑さんが23歳の時弘前の刀匠に弟子入りを果たした。その後師匠の元で5年間で50本の刀を作り、1970年(昭和45年)文化庁主催の試験に合格して刀匠になった。中畑さんが刀匠になろうと思ったきっかけは、小学生の時中畑さんの祖父が所持していた刀を見たことだ。初めて日本刀を見たそのとき「鉄の美術品」としての美しさに惹かれ、自分もこんな刀を作りたいと思い、刀匠を志したという。今まで制作してきた刀は500振りで、刀を見れば自分がいつ作った作品なのか分かるという。中畑さんは最も有名な刀匠の一人である正宗の刀を再現することを目標として、日本刀の制作に打ち込んできたが、最初はなかなか思うように行かず苦労したという。そこで中畑さんは古い神社仏閣などの解体工事からでる釘を買い取り、日本刀の材料たる「玉鋼(たまはがね)」に混ぜることで、正宗の刀を再現できるのではと考えた。そして息子とともに作った刀でようやく満足のいくものが作れたと語る。さらに中畑さんは日本刀の刀身部分だけでなく、鍔や鞘などの制作、研ぎも自分で行う日本で唯一の刀匠である。この刀は津軽塗を広めるために作った鑑賞刀である。

下の写真は中畑さんが実際に作成した日本刀である。日本刀が鏡面のようになっていると考えている人は多いかもしれないが、実際に日本刀を近くで見てみると刃ではない部分、これを地鉄(じがね)と言うが、地鉄には細かな文様が見える。この鉄の肌模様のことを地肌(じはだ)と言う。地肌にはいろいろな種類があり、この刀は「板目肌」と呼ばれる地肌に属する。その他にも杢目肌(もくめはだ)、柾目肌(まさめはだ)、梨地肌(なしじはだ)などたくさんの種類がある。


中畑さんは玉鋼からどのようにして日本刀が形作られていくのか、地肌の模様がどのようにして生まれるのかなどを最初から丁寧に解説してくれるため、日本刀にあまり詳しくない方でも工房の見学は大いに楽しめるだろう。

刀剣正宗なでしこの会

さらに中畑さんの工房では「刀剣正宗なでしこの会」と呼ばれる日本刀をこよなく愛する刀剣女子たちのための勉強会が開催されており、中畑さんが作った日本刀について、「造込み(つくりこみ)」から「刀紋(はもん)」など日本刀の見所を学び、さらには刀剣女子にとっては夢である「手入れ」の作業も実際に行うことができる。刀剣正宗なでしこの会は日本刀が好きな女性の輪をもっと広げたい、刀剣類の保全活動に協力したいという思いから発足された会であり、年に数度こうして中畑さんの工房に集まり、勉強会を開催している。


〈打ち粉を持って実際に手入れをする刀剣なでしこの会のメンバー〉

田んぼアートが見頃のこの季節、日本刀に興味のある方もない方も一度田舎館の工房を訪れてみてはいかがだろうか?もしかしたら素敵な出会い、新たな発見があなたを待っているかもしれない。

中畑さんの工房は田舎館村役場のすぐ近くにある。

この看板が目印
またこの看板がある日は見学ができる。

こちらが田舎館村役場。別名:田舎館城。奥の方に見える天守閣は上ることができ、田んぼアートはこの天守閣から眺めることができる。

中畑さんの工房の見学は6月~10月の間、毎週日曜日に開催される。

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